横浜のデンタルクリニック

ラグジュアリーな待合室がショーウィンドウとなる
開かれたデンタルクリニック

計画地は商業施設の地下にある「ドンキ・ホーテ」の売り場に面したテナントという賑やかな環境ではありますが、デンタルクリニックにふさわしい洗練された空間をつくり、集患・集客を促すために「開かれた」イメージを創り出すデザインを目指しました。

レトロ感のある黒いスチールサッシ
商業施設の共用部分は、横浜のレトロな風景を想起させるレンガ貼りの壁と暖色系の床がデザインコードとなっています。そこで、共用部に面する壁全面を黒いスチールサッシによるカーテンウォールとすることで、両端のレンガ張りの柱と黒いスチールサッシのマリアージュが、より上質なレトロ空間をつくりだしています。

ショーウィンドウ
室内は、ショーウィンドウのように、別世界の洗練された空間となっています。
共用部からスチールサッシ越しに見えるモザイクタイル貼りの壁にはクリニックのロゴが表示されており、空間イメージを象徴する巨大なオブジェとなっています。さらにその壁が緩やかな曲面を描いて奥へと伸びる事で、外部の意識を内部へと誘う強力な装置となっています。

ラグジュアリー
待合室は、ホテルのラウンジのような高級感と図書館のような落ち着いた空間としました。
床をカットパイルの厚手のタイルカーペットとすることで、足を踏み入れたときの異質感と吸音効果による静寂感が生まれ、来訪者には高揚と優越感を、滞在者には落ち着きと安心感を与えます。
特殊フィルムが張られたガラス張りの壁は、開放感がありながらプライバシーの守られた快適な空間をつくり出しています。


「ショーウィンドウ」となる待合室は、抑制的な色彩と繊細なテクスチャーをコントロールすることで、シンプルで強いイメージをつくり出して存在感を示しました。コンセプトが染み込む繊細なディテールで「解像度の高い空間」をつくり、訪問者の意識を引込む空間としました。

Gallery

Photo by 中山保寛

Data

所在地/神奈川県横浜市
用途/診療所(歯科)
構造/RC造
床面積/93.07m2
竣工/2021年9月